2013年2月6日水曜日

オリンピック正式種目の採用基準について

スイス・ローザンヌに来て、2カ月目に差し掛かった。

こちらに来てIOC及びIF(国際スポーツ連盟)の関係者と接する機会が多く、
その中で、よく話にあがるのが「オリンピック正式種目について」だ。














「オリンピック正式種目」のIF団体は、生き残るのに必死で、
「オリンピック正式種目」ではないIF団体は、正式種目になるのに必死である。
彼らは、常にそういう事を意識しているのである。

では、一体どのような基準でどのような経緯で「オリンピック正式種目」へ決まるかご存知だろうか?

現在、オリンピック憲章で定められている「オリンピック正式種目」の基準は、
夏季オリンピックでは、男性:75ヶ国(4大陸)、女性:40ヶ国(3大陸)が国際連盟に加盟している事、一方で、冬季オリンピックでは、25ヶ国(3大陸)の加盟がある事(男女関係なく)が最低条件となっている。つまり、ここではIOCから最低限の普及性が求められているのだ。

ちなみに、各オリンピック大会の正式種目については、上限28競技までという基準があり、当大会の7年前にIOC総会で正式に決まる事となっている。もちろん、どこが開催国になるかという事も影響してくる。

では、最近の各大会の「オリンピック正式種目」はどういう動向になっているのか?

2004年シドニー     28競技300種目
2008年北京       28競技302種目
2012年ロンドン     26競技302種目
(シドニーオリンピックでの競技が多すぎると批判され、ロンドンでは2種目減らされる結果に)
2016年リオジャネイロ 28競技(ゴルフと7人制ラグビーが追加される事が決定)
2020年東京??    28競技??

2016年のリオジャネイロまで、2007年度にIOC総会で決定された「中核競技制度」が採用され、よほどのことがない限りロンドンオリンピック種目は外されないルールになっている。

しかし、2020年の「オリンピック正式種目」に関しては、
2013年2月のIOC理事会で、ロンドン26競技から1競技が除外され、
       5月のIOC理事会で、+1競技が絞り込まれる。
そして、9月のブエノスアイレスで2020年開催国と同時にオリンピック種目が正式に決定される。

以上の事から、各IF団体は、現在、生き残り及び新規参入に向けて一生懸命なのである。

ちなみに、現在、2020年の「オリンピック正式種目」候補としてあげられているのは以下の8競技

①野球・ソフト(加盟国:125ヶ国・127ヶ国)
②空手(169ヶ国)
③スカッシュ(118ヶ国)
④ローラースケート(80ヶ国)
⑤スポーツクライミング
⑥ウェイクボード
⑦武術太極拳

実質、野球・ソフトと空手の一騎打ちとローザンヌでは風の噂が流れている。

もちろん、各IFが普及・グローバルスポーツへの努力をしているかどうかも非常に大事だが、
どれだけの「スポンサー」がつくかもポイントとされている。

最後に、なぜ、このような話題をだすかというと、
5月のIOC理事会で1度、「1競技に絞り込まれる」・・・・・

つまり、これはどういう事かというと、
5月である程度の「2020年開催国」の情勢がわかってくるのである。
東京なのかトルコなのか、それともスペインなのか。

2020年オリンピックは「東京」にという情勢にならない限り、「野球・ソフト及び空手」が2020年オリンピック正式種目に選ばれるという流れにならないのである。

5月の「オリンピック正式種目」1種目選定にも、是非、注目してみてほしい。


            

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