2013年2月17日日曜日

「SEMOS」の講義から得たもの

慌ただしい1週間が過ぎた。

前回のブログでも記載したが、IOC職員とのセッションであるSEMOS(Sport Event Management&Organisation)の集中講座を1週間受けてきた。忘れない内に簡単にフィードバックしておきたい。

 
主な授業内容は以下の通り
◆Basics of Project Management Applied to Sports Events
◆Mega-Events and the Transportation Bidding Process
◆Olympic Games Delivery
◆Event Marketing &Sponsoring
◆Olympic Legacy

個人的に、以上の授業を通して、「Olympic Legacy」(オリンピック開催による遺産)に非常に興味を持った。

「Olympic Legacy」とは、オリンピック開催によって築いたハード・ソフト両面(経済・雇用・教育・施設・交通)の遺産をどう次世代に継承していくかを主なポイントとしており、現在、ロンドン五輪組織委員会も計画を練り、どのようにして効果的に2016年リオジャネイロ五輪に「2012年ロンドン五輪開催による遺産」を引き継げるかに注力しているようだ。

「Olympic Legacy」の詳細については、また別の機会にアップしたいと思う。

そして、講座の終盤には、IOC副会長であるナワル・エル・ムータワキル氏が講義に来てくださった。ご存知の方もいると思うが、2016年夏季オリンピックの候補都市の評価委員会の委員長も務められた方である。

人をひきつけるオーラがあり、そして、とにかく人の意見を聞こうとしてくださるバイタリティ溢れるユニークな方だ。
話を聞いているこちらも非常に面白かった。
 
講義の中で、彼女が特に言及していた事は、「女性アスリートのオリンピック参加状況」について
 
彼女の「2008年北京五輪には出場しておらず、2012年ロンドン五輪で女性アスリートの参加が実った国はどこだと思うか?」の質問で講義がスタート。
 
答えは、サウジアラビア、カタール、ブルネイ。
 
Women at the Olympics (source: Wikipedia)









 1896年のアテネ五輪では、全240アスリートの中から女性アスリートの参加率は0%、そして、2012年は全10500アスリートの中から44%まで向上した。女性アスリートの参加率は、今後のオリンピック開催に伴い、さらに上がっていくだろうと予想されている。
 
彼女自身の功績はそこにあり、IOCも非常に力をいれている分野であるという内容で話を締めくくった。
 
そして、最後に、「何か質問はありませんか?」とお決まりのフレーズで穏やかに終わる予定だったが・・・・、
 
そこには、オリンピアン、オリンピック関係者もおり、少なからずオリンピックに興味がある者が集まっているがゆえ、早速、クラスメイトの1人が「レスリングが25のコア競技から外れた理由を教えて欲しい」とリアルタイムな質問をした。
 
話題が直近である為、やはり、議論は白熱した。
 
彼女は、「約40近い項目から26競技を慎重に分析した。」とゆっくり話し始めた。
 
彼女が多くを語る中、その中で個人的に興味を持ったコメントがあった。
 
「5競技の格闘技は少し多すぎる」
※ちなみに、2012年ロンドン五輪時は、柔道・ボクシング・フェンシング・テコンドー・レスリングであった。
 
そして、彼女はこう付け加えた、
 
「他にもオリンピックスポーツになろうとずっと待っている格闘技スポーツはあると・・・・・。」
 
以上の事から、以下の2点を個人的に感じた。
 
まず、1点目は、「オリンピックの格闘技競技が6競技になることは多すぎる」という事、
 
そして、2点目は、「そろそろ格闘技競技は入れ変わる時期ではないのか」という認識がIOC理事の間であるのではないかという事。 
 
その中から、彼らが何を考えているのか?その背景には、何があるのか?
 
最後に、1つ言えることは、「何かを外す動きがあると共に、何かを入れようとする動きがあるということ。」
彼らはそこまでのストーリーを考え、相対的なバランスを考えているのではないかと思う。
  
次回、5月のIOC理事会で選択競技が決まる前に様々な動きがあると予想される。
 
今後の「オリンピックスポーツ」入り目指す各連盟の動きにも注目していきたい。
 

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