(source from朝日新聞)
今回は、過半数(総数14)の票を得る競技が出るまで、最下位を除外して投票を繰り返すという投票方法で行われており、レスリングは、第1回目の投票で過半数の8票を獲得し、早々に9月のIOC総会の「最終種目候補」となった。他の競技であるスカッシュ、野球とソフト、空手は接戦だったようだ。この結果からもわかるように、IOC理事会は、2月に2020年オリンピック競技からレスリングを除外候補に決めたにも関わらず、5月には「最終種目候補」に戻すという決断をした。
はたして、これらの一連の動きがどういう意味を示しているのか?
スカッシュは、オリンピックスポーツに採用される為、ロビー活動に年間$2.4
million (約2億5千万円)の予算を計上するなど、ロビー活動に積極的に投資してきたと言われている。さらに、空手は、今回で3回目の挑戦であった。そもそも、IOC理事会の当初の目的は、競技の入れ替えであったが、結局レスリングを戻すというのではあれば、何の為に理事会を行い、レスリングを外したか疑問が残る。長年、オリンピック競技になる為にロビー活動をしてきた他の国際競技連盟の立場はどうなるのか。
また、あくまでも個人的な見解だが、レスリングという伝統競技の除外に対する反応は、絶対的な権力を持つIOCにとって想定外だったと思う。従って、最終判断をIOC理事会で決めるのは難しく、約100人のIOC委員が投票する総会に決定を委ねるしかなかった。多くのIOC委員がレスリング復活を望んでいることは周知の事実であり、9月の総会でレスリングがオリンピック競技として戻ってくる確率は非常に高いと言えるだろう。
従って、今回、「最終候補種目」を3種目にしたのは、長年ロビー活動をしてきた国際競技連盟の反発を少しでも抑える為であり、結局は、9月のIOC総会でレスリングがオリンピック競技として戻ってくる一つの筋書きでしかないのではないか。
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