2013年4月15日月曜日

Olympic Legacy ①

久しぶりの投稿である。

前回のブログでもアップした通り、約1週間に及ぶ「Easter Break」も終わり、先週から講義が始まった。

休暇後の第1週目の講義は、「Olympic Legacy」についてだ。

「Olympic Legacy」という言葉をご存知だろうか?

私自身も日本にいた時は、ほとんど聞いたことがなく、特に関心を持ったことがなかったが、
スイス、ローザンヌに来て、IOC及びIFs関係者から度々「Olympic Legacy」の話がでて来ることが多く、非常に重要な「テーマ」である事に気付いた。

東京が2016年の五輪開催国として立候補した時、当時のIOC評価委員会は、報告書の1部に以下のような評価を残している。

"During its visit. the Commission felt that legacy plans for certain permanent venues were unclear."

簡単に言うと、2016年の東京レガシー計画(ハード面)は、明確ではないと示されている。

では、なぜ、この話題を出すかというと、「Olympic Legacy」というテーマは、IOC(国際オリンピック委員会)が最も力をいれている部分であり、オリンピック憲章には、「開催都市・開催国は、建設的なレガシーを促進すること」と明記されており、オリンピック立候補都市にはレガシープランを提出する事が義務づけられているのである。

その理由として、開催都市・開催国にとっても、インフラに貴重な公費を使ってオリンピックを開催する以上、オリンピックが一過性のイベントに終わったり、ましてや会場がその後有効利用されず、維持費のみかかる意味のない物にすることを避けなくてはいけない。そのためにも、オリンピック開催により得られた効果をどのように継続していくかをIOCは開催都市・開催国に徹底的に考えさせる訳である。

今回は、「Olympic legacy」の基本について説明したい。

まずは、「Olympic legacy とは何なのか?」

「オリンピック」というメガスポーツイベントを通し、長期的、そして、短期的な視点から、開催国となる都市をどのような形で「発展」させる事ができるのか、そして、次世代にどのような「遺産」を残し、
「オリンピック開催」により得られた効果が将来的にどう持続していくかをポイントとしている。

次に、「Olympic Legacyには、どのような視点があるのか?」

1. Sporting Legacy


「スポーツ」をする機会を増やすことを目的とした、スポーツ施設の使用、そして、開催国が投資したインフラをどのように次に使用するべきなのか、より多くの人がスポーツに参加する機会を増やすためにプログラムを作ったり、その為の指導者をどのように育成するべきなのかをポイントとしている。




2. Social Legacy




民族差別、性別差別、人種差別、宗教差別に対して「オリンピック」というメガスポーツイベントを通してどのように無くしていくのか、そして、それに対して自尊心と連帯意識の向上、異文化の理解を深める事にどう繋げていくかをポイントとしている。










3. Environmental Legacy

「オリンピック」というメガイベントを通し、どのように環境問題に取り組んでいくべきか。例えば、「オリンピック」開催に向けて「新しいエネルギー資源」を取り入れたり、「オリンピックパーク」と題し、植林を行い都市の中に新しい公園を建設する。以上の取り組みの中から、発展都市を新しい環境に優しい都市へと変えていく、比較的発展国の開催都市が目指す「Olympic Legacy」である。※2012年のロンドン五輪は、環境問題に特に力を入れていたと言われる。



4. Urban Legacy


「オリンピック」というメガイベントを通し、投資を集中させ、建設を増やしどのように発展途上国から発展国の都市へと変革を遂げるかをポイントとしている。※2016年のリオジャネイロ五輪がこのケースに当てはまる。





5. Economic Legacy

「オリンピック」というメガイベントを行うことで、開催都市はどのくらいの経済効果を生むのか、そして、GDPはどのくらい上昇するのかをポイントと置いている。そして、「オリンピック開催」に伴う新規雇用について、「オリンピック開催」に直接的に関わる雇用、そして、間接的な雇用はどのくらい生まれるのかも大きく関わってくる。



以上の大きく分けた5つの視点から、今度は、ハード面(競技施設、宿泊施設、交通インフラ)、そして、ソフト面(教育・環境面の向上)の視点に分けて考えられることが多い。

また、IOCの部門にも「Transfer of knowledge」という部門があり、現在、2012年ロンドン五輪のレガシーをどのように2016年のリオジェネイロ五輪に引き継ぐかに注力されており、「継続性」に非常に重きを置いているのがわかる。

次回は、2012年ロンドン五輪の「Olympic Legacy」について注目したいと思う。